美術!生きのこり塾

はじめに

「はたして檜舞台に上がらない表現には価値がないのだろうか」と改めて問い直すことから始める、それが私たちの「美術!生きのこり塾。」の活動のスタートです。そして「美術!生きのこり塾。」はモラトリアムを超えてゆく実験でもあります。

私達が考えるモラトリアムとは、心理学的な意味での猶予期間です。かつては、非行やヒッピーという行動的な社会非参加であり、やがて、引きこもりのような非行動的な変化を見せている現象のことです。社会への不信と個人主義、とりまく価値観の不明瞭さで、不安に陥りがちです。これらの心理状況は表現者にとっても同じであり、抜け出したいトンネルでもあります。

その状況下、「社会とアートをつなぐ」というマネジメントサイドからの巨視的なアプローチではなく、既に社会内存在として表現者をとらえ、日常の実践の中から立ち現れる微視的な表現を提示。塾では、それが「美術」で、あるいは「アート」で在り得るのかを常に疑いながら歩みを進めてゆきたいと考えています。ありもしない特権的な「アート/アーティスト」ではなく、足下を見詰める表現者を標榜することから始めています。

美術!生きのこり塾。の概要

現代美術やコミックスなどのジャンルを問わず創作を続ける作家を支援し、アートマネージメントや作品制作の新展開に関連した知識とスキルを習得させることを目的とした講座を開講します。本年度は2講座を開講し、「美術の見方」と「自分の作品製作と活動の再考」に対応した各講座を実施して、受講者各自が不得意な分野を補い、将来展望を見つけることを目指します。またスキルアップのためのワークショップや受講成果を試すグループエキシビションも行います。自分の活動をステップアップしたい、また生涯に渡って作品制作を続けていきたいという方を対象に開講されております。

開講講座

「テキストとコンセプト」講師担当:岡山拓(tri-school学長、美術家・ライター)

開講日時:
毎月第二土曜日 19:00~22:00(最大23:00迄)
受講内容:
1.近代美術の視点(印象派前後の美術史)
2.現代美術の視点(60年代以降の美術史)
3.日本の近・現代(日本の美術概観)
4.視点の確認(文章講座その1)
5.プレスリリース(文章講座その2)
6.活動の自己評価について(文章講座その3)

「作品製作と企画」講師担当:山田祐史(トランスポップギャラリー・プレスポップ代表)

開講日時:
毎月第四土曜日 19:00~22:00(最大23:00迄)
受講内容:
1.自分のものづくりのルーツについて考える
2.自分のものづくりの未来について考える
3.自分の現在と課題について考える
4.自分の傾向を掴み、相対化する
5.自分を企画化する
6.作品ファイルの見直し・総評

「上記2講師の合同講座」

開講日時:
日時未定
受講内容:
グループ展、製本の企画について1
グループ展、製本の企画について2

開講ワークショップ

シルクスクリーン印刷、その他

特別講座

参考(19年度開講分):佐伯俊男、安齋肇

募集対象

イラスト・絵画・アニメーション・現代美術・マンガ・音楽・詩などの作品制作を行っている方で、開講中に休まず参加出来る学生および社会人。ある程度の作品制作経験は必須となります。

実施期間:
前期:平成20年5月~7月(講座)
後期:平成20年9月~11月(講座)
平成21年1月~8月(作品制作とグループエキシビション)
受講定員:
10名
受講会場:
トランスポップギャラリー/その他
受講料金:
講座は無料。
※ワークショップ、特別講義参加費は2~3000円(材料費含む)。

主催:美術!生きのこり塾実行委員会、トランスポップギャラリー

活動報告・お知らせ

お問い合わせ [ ikinokori@gmail.com ] (ご使用のメールソフトが起動します。)