「はたして檜舞台に上がらない表現には価値がないのだろうか」と改めて問い直すことから始める、それが私たちの「美術!生きのこり塾。」の活動のスタートです。そして「美術!生きのこり塾。」はモラトリアムを超えてゆく実験でもあります。
私達が考えるモラトリアムとは、心理学的な意味での猶予期間です。かつては、非行やヒッピーという行動的な社会非参加であり、やがて、引きこもりのような非行動的な変化を見せている現象のことです。社会への不信と個人主義、とりまく価値観の不明瞭さで、不安に陥りがちです。これらの心理状況は表現者にとっても同じであり、抜け出したいトンネルでもあります。
その状況下、「社会とアートをつなぐ」というマネジメントサイドからの巨視的なアプローチではなく、既に社会内存在として表現者をとらえ、日常の実践の中から立ち現れる微視的な表現を提示。塾では、それが「美術」で、あるいは「アート」で在り得るのかを常に疑いながら歩みを進めてゆきたいと考えています。ありもしない特権的な「アート/アーティスト」ではなく、足下を見詰める表現者を標榜することから始めています。
現代美術やコミックスなどのジャンルを問わず創作を続ける作家を支援し、アートマネージメントや作品制作の新展開に関連した知識とスキルを習得させることを目的とした講座を開講します。本年度は2講座を開講し、「美術の見方」と「自分の作品製作と活動の再考」に対応した各講座を実施して、受講者各自が不得意な分野を補い、将来展望を見つけることを目指します。またスキルアップのためのワークショップや受講成果を試すグループエキシビションも行います。自分の活動をステップアップしたい、また生涯に渡って作品制作を続けていきたいという方を対象に開講されております。
シルクスクリーン印刷、その他
参考(19年度開講分):佐伯俊男、安齋肇
イラスト・絵画・アニメーション・現代美術・マンガ・音楽・詩などの作品制作を行っている方で、開講中に休まず参加出来る学生および社会人。ある程度の作品制作経験は必須となります。
主催:美術!生きのこり塾実行委員会、トランスポップギャラリー
お問い合わせ [ ikinokori@gmail.com ] (ご使用のメールソフトが起動します。)